技術情報 アプリケーション Application Data 100-MT-0265
FTIR Application Data

プラスチック粒子に対する赤外分光法とラマン分光法の複合分析

Introduction

赤外分光法 (IR) とラマン分光法は、いずれも分子振動の情報から分子構造を解析する分析方法として知られていますが、各々の分析方法には特徴があります。IRは有機物を中心に豊富なデータベース採録件数を誇り、異物の定性時に大きな魅力となります。また、ラマン分光法での測定が難しいタンパク質の分析にも威力を発揮します。一方、ラマン分光法はIRに比べるとデータベース採録件数は少ないですが、有機物の他にも、無機物や炭素材料といったIRでは難しいサンプルの分析を得意としています。このように特徴の異なる2つの分析方法を用いることで、1つのサンプルから得られる情報量が多くなり、分析結果に対する信頼性向上が期待できます。

同一サンプルの同一位置に対して、IRとラマン分光法の2種類の分析方法を簡便に実施できるように、日本分光ではシェアリングホルダーを開発しました。ここでは、プラスチック粒子を散布したサンプルの成分分布をIRとラマン分光法を用いて分析した事例を紹介します。

Keywords
赤外分光法、プラスチック粒子、異物、複合分析
アプリケーションデータ番号
100-MT-0265
発行
2020年
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