技術情報 アプリケーション Application Data 130-AT-0229
FTIR Application Data

観察型ATRによるフィラーのモデルサンプル(洗顔剤中の粒子)の測定

Introduction

赤外顕微鏡は微小物の分子構造を解析できるため、異物の同定や赤外イメージング測定など幅広い分野で利用されています。特に顕微ATR法は、前処理なくサンプルを測定できるといった特長がある他、透過/反射法では原理上測定困難な5µm以下の極微小領域の測定ができるため、極微小な異物やフィラーのような微粒子の分析に威力を発揮します。しかしながら、一般的な顕微ATR法は①プリズム中心にサンプルがないと測定できない②直接サンプルの観察ができないなどの理由から、プリズムとサンプルを密着させる際に、サンプルが動いたり、つぶれたりする場合、正しい測定が困難となります。

赤外顕微鏡IRT-5000, 7000にはプリズム中心にサンプルがない場合でも測定ができるように、スマートマッピング機能を標準搭載しました。また、プリズムを通してサンプルとプリズムが密着している状態を観察するために、観察型顕微ATR(ATR-5000-S シリーズ)を開発しました。今回は、スマートマッピングを搭載したIRT-5000と観察型ATR(ATR-5000-SS)を用いて流動性のあるサンプル中の微小物(洗顔剤中の黒い粒子)をフィラーのモデルサンプルとして測定しました。その結果、黒い粒子の分子構造が明らかとなり、その機能について推定できましたので報告します。

Keywords
フィラー、観察型ATR、スマートマッピング、洗顔料、流動性、イメージング、セルロース
アプリケーションデータ番号
130-AT-0229
発行
2011年