技術情報 アプリケーション Application Data 260-MT-0255
FTIR Application Data

3種類のATR対物鏡を使った多層膜のATRイメージング

Introduction

赤外顕微鏡を利用したATR イメージング測定の用途は、異物や多層膜の解析、添加剤の評価など多岐に渡りますが、それぞれの分析目的により求められる空間分解や測定サイズが異なります。食品や工業製品などの異物分析では、異物が目視で確認できる数百µm 以上のサイズであることが多く、プリズムと試料を密着した状態で広い領域を測定できることが求められます。一方ゴムや樹脂に含まれる添加剤などの分布状態を評価する場合には、µm オーダーの高空間分解能が求められます。

日本分光の赤外顕微鏡では、光軸を走査するスマートマッピング機能により、全種類のATR 対物鏡でプリズムと試料の密着状態を保ったままATR イメージング測定が可能です。また、対物鏡はスライドイン方式を採用しているため簡単に交換でき、複数の対物鏡を組み合わせて測定することも可能です。ここでは、一度の密着でmm オーダーの広領域が測定可能なATR 対物鏡のATR-5000-WG、数百µm オーダーの測定が可能なATR-5000-MG、高空間分解測定が可能なATR-5000-G45 の3 種類のATR 対物鏡を使用し、マルチチャンネル赤外顕微鏡IRT-7200 のスマートマッピング機能と組み合わせて多層膜のATR イメージング測定を行いました。本報では得られた解析結果を示すとともに、それぞれの対物鏡の特徴と使い分けについて解説します。

Keywords
多層膜、ATR、イメージング、Geプリズム、広領域、微小領域
アプリケーションデータ番号
260-MT-0255
発行
2018年
このApplication Dataをダウンロードする