FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)で測定したスペクトルから未知試料の定性分析を行う場合、一般的にライブラリーを用いた検索(以下、ライブラリー検索)を行います。しかし、ライブラリー検索の結果として形状が類似したスペクトルが複数該当することもあり、最終的には分析者自身が結果を判断する必要があります。正しい判断をするためにはスペクトルを解釈する知識が必要となり、経験の浅い分析者にとっては大きな壁となります。
そこで、機械学習を用いて熟練の分析者の思考をソフトウェアに組み込んだアドバンストスペクトルサーチを開発しました。アドバンストスペクトルサーチは通常のライブラリー検索に加え、機械学習による「分類」機能を搭載しています。「分類」はスペクトル形状から各化合物の分類を行う機能ですが、各化合物に固有のキーバンドがスペクトル上に表示されるため、スペクトルを解釈する際のサポートになると考えています。