技術情報 アプリケーション Application Data 280-AT-0002
FTIR Application Data

Q. ATR 法は測定は簡単だけどデメリットはないの?

Introduction

A. ATR 法では高屈折率のサンプルにおいてスペクトルが歪むといったデメリットが挙げられます。ここではATR スペクトルの歪みを改善し、透過スペクトルに近づけるためのデータ処理 (ATR 補正) について説明します。

ATR 法の特徴
ATR 法はサンプルの前処理が不要で簡便に測定できるため、近年では頻繁に利用されています。しかしながら、ATR スペクトルは

  1. 試料への光のもぐりこみ深さが波数に依存する
  2. 透過法に比べピークが歪み、低波数側へシフトする
といった特徴があり、その結果、透過スペクトルとは異なる形状を示します。ピークの低波数シフトはアサイメントを困難とさせる、透過法で測定したデータベースを用いて検索した場合に誤った結果を示すなどの問題を発生させます。
以上のことから、ATR スペクトルはデータ処理 (補正)を行ったスペクトルを解析することにより解析精度の向上が望めます。

Keywords
異常分散、屈折率、補正、データ処理
アプリケーションデータ番号
280-AT-0002
発行
2009年
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