技術情報 アプリケーション Application Data 036002U
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セミ分取SFCシステム及び気液分離ノズル(MCS-es)によるワルファリンのキラル分取

Introduction

超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)による分取は、HPLC と比較してハイスループット化が期待でき、移動相の主溶媒である CO2 は回収時に気体となって放出するため、蒸発乾固などの後処理が容易であるという利点があります。さらに、使用する CO2 は有機溶媒と比較して安価であり、かつ高純度(>99.99 %)のものを入手できるといった利点もあります。一方、超臨界状態の CO2 は、圧力調整弁の出口で大気圧下に放出される際に約 500 倍の断熱膨張が起こります。そのため分取の際は、試料の飛散や急激な温度低下によって生じる結露水等のコンタミネーションに対策を講じる必要があります。今回、Gilson 223 Sample Changer の Z 軸アームに気液分離ノズルである MCS-es を装着することにより、CO2 の膨張による飛散や結露を防ぎながら液体のみを緩やかに回収することができました。また、これにより幅広い流量範囲において高い回収率での分取が可能となりました。なお、MCS-es には直接メイクアップ溶媒を流し込むことも可能となっています(特許出願済)。

今回、EXTREMA UFC(Unified Fluid Chromatograph)の Prep-SFC-M システム及び MCS-es を用い、ワルファリンのキラル分取を行ったので報告します。

Keywords
セミ分取SFC、超臨界二酸化炭素、気液分離、MCS-es、フラクションコレクター、Gilson223SampleChanger、CHIRALPAKIA、キラル分取
アプリケーションデータ番号
036002U
発行
2023年
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