有機酸は、食品中において酸味や旨味を示す物質の一つである他、酸化防止や抗菌性が期待される等、その機能的性質が注目されています。有機酸のHPLC分析における検出法には、UVの短波長 (210 nm) による検出や示差屈折率検出器、電気伝導度検出器を用いた直接検出法、あるいは BTB (ブロモチモールブルー) 等の pH 指示薬を用いた検出法等が挙げられます。UV 検出器を用いた直接検出法は、短波長であるが故に選択性が低く、他の夾雑成分も一緒に検出してしまうといった問題があります。一方、pH 指示薬を用いた検出では、ポストカラム法で可視光領域の吸光度を検出する為、選択性に優れています。
今回は、カラムによる分離後、pH 指示薬である BTB と混合し、可視光 445 nm で検出するポストカラム法を用いて有機酸の測定を行いました。また、カラムには水 100 % に近い移動相条件下で親水性 (高極性) 化合物を逆相分析するのに適した C18 カラム (InertSustain* AQ-C18) を使用する事で、イオン排除クロマトグラフィー用カラムを用いた従来法 (LC Application Data No.220059H) と比較して短時間で分離する事が可能となりましたので、その結果を報告します。
* InertSustain は、ジーエルサイエンス株式会社の登録商標です。