魚肉中のATP(アデノシン三リン酸)は時間の経過とともに、下記のように分解していきます。
ATP → ADP(アデノシン二リン酸) → AMP(アデノシン一リン酸) → IMP(イノシン酸) → Ino(イノシン) → Hypo(ヒポキサンチン)
魚肉の鮮度を示す指標としてK値があり、次のように定義されます。
K値(%)=[(Ino + Hypo)/(ATP + ADP + AMP + IMP + Ino + Hypo)] × 100
K値が20%以下の場合刺身用、20~60%なら調理加工用に使用可能と言われています。
ここでは、Ultra High-performance Liquid Chromatography(UHPLC)を用いてK値の測定計算を行い、魚肉試料の経時変化を測定したので報告します。なお、K値はChromNAVのプログラム計算機能を用いて計算しました。
● 日本農林規格(JAS 0023, 2022年3月31日制定)での測定例
2022年に制定された日本農林規格 JAS 0023の記載に則り、マグロ刺身及びタイ刺身中ATP関連物質の含有量をHPLCにて測定し、その含有量からK値を算出した下記の例も是非ご参照ください。
420010H ヌクレオチドの分析による魚類の鮮度(K値) 試験