技術情報 アプリケーション Application Data 470004H
LC Application Data

RHPLC システム及びOPA を用いたプレカラム誘導体化法による赤ワイン中の不揮発性腐敗アミンの分析

Introduction

不揮発性腐敗アミン類(以下不揮発性アミン)は、タンパク質やアミノ酸の微生物腐敗による分解過程で生じます。アミン類による食中毒は、マグロやイワシなどの赤身魚やその加工品によって発生することが多く、顔面紅潮や蕁麻疹などの食物アレルギーとよく似た症状を起こします。その主な原因となる物質がヒスタミンです。食物アレルギーは、アレルゲンとなるたんぱく質を摂取した際の免疫反応によって起こりますが、ヒスタミンによる食中毒は免疫反応とは関係なく、ヒスタミンを摂取することで発症します。またカダベリン、プトレシン及びチラミンには、体内でのヒスタミンの解毒を阻害したり、ヒスタミンの吸収を促進したりするなどの作用があるため、ヒスタミンと合わせてモニターする必要があります。

一方同じ不揮発性アミンでも、スペルミジンなどのポリアミンに関しては近年、健康寿命を延ばす効果があるという研究結果も出てきています。生体内のポリアミン濃度を高いレベルで維持することで、老化によって引き起こされる病気や疾病のリスクを下げられると考えられています。

日本薬学会が出版している衛生試験法・注解では、不揮発性アミンの分析法としてダンシルクロリド(DNS-Cl) 誘導体化-HPLC 法が採用されています(LC application data No.470003H)。しかしこの方法は、前処理工程が多く、測定時間が長いという特徴があります。そこで今回、不揮発性アミンと容易に誘導体化するo-フタルアルデヒド(OPA) を使用し、オートサンプラーによる自動誘導体化及びRHPLC による測定時間短縮を試みた結果を報告します。

Keywords
RHPLC、Sunshell C18、コアシェルカラム、蛍光検出、不揮発性アミン、赤ワイン、OPA、プレカラム誘導体化、EXTREMA
アプリケーションデータ番号
470004H
発行
2021年
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