技術情報 アプリケーション Application Data 820028H
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炭素鎖分岐不認識型カラムを用いた陰イオン界面活性剤の分析

Introduction

陰イオン界面活性剤は合成洗剤の有効成分で、工業排水・家庭下水などからの混入に由来する汚濁の指標となるため、水道法の水質基準項目の一つになっています。測定法としては、蛍光検出器を用いたHPLC法が採用されています(厚生労働省告示第261号)。この測定法では、陰イオン界面活性剤の一種であり、アルキル鎖の炭素数が10から14であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)が測定対象となり、基準値は5成分の和で0.2 mg/Lとなっています(厚生労働省令第101号)。また、水質検査の実施に当たっては、基準値の10分の1の濃度での測定精度を、20%以下に確保することが定められています。

一般的なODSカラムでは炭素鎖の分岐状態も認識するため、同じ炭素数のABSでも分岐状態の違いにより分離され、複数のピークが溶出します。今回は、分岐状態を認識せず、炭素鎖の炭素数ごとに1本のピークとして溶出するWakosil AS-Aquaカラムを用いて陰イオン界面活性剤を分離し、蛍光検出器による高感度分析を行ったので報告します。

Keywords
陰イオン界面活性剤, アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム, 水質基準, Wakosil AS-Aqua, 蛍光検出器
アプリケーションデータ番号
820028H
発行
2017年
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