接着剤や塗料、電子部品など幅広い分野で使用されているエポキシ樹脂は、通常、一定レベル以上に硬化することで優れた特性を発揮することから硬化度の評価が重要です。JIS K 7148-2 (ISO 20368) では、フーリエ変換赤外分光光度計 (FT-IR) により硬化時に消費されるエポキシ基の減少を観測して硬化度を評価する方法が定められていますが、試料をシリコンウエハに挟んで測定することから、サンプリングに時間と手間を要します。そこで、ラマン分光光度計による硬化過程のモニタリングを試みました。ラマン分光光度計を使うと、ステージに試料を設置してレーザー光を照射するだけでラマンスペクトルを取得できます。
ここでは、バルク測定を簡単に行うことができるパームトップラマン分光光度計を用い、エポキシ系接着剤の硬化過程をモニタリングした結果を紹介します。