技術情報 アプリケーション Application Data 160-AN-0041
Raman Application Data

容器のままでラマン測定–液体試料の簡便な定性手法-

Introduction

材料評価の分野において、簡便に試料の成分分析をすることが望まれています。日本分光では、パームトップラマン分光光度計のオプション付属品として、使い捨て可能なバイアルを使用して液体や粉体の定性評価を簡便化する"バイアルホルダー"を用意しています。

ラマン分光法を用いた液体の測定
ラマン分光法はレーザーが結像した位置での試料情報が得られる手法であることから、ガラス瓶などの容器に入った試料を取り出すことなく測定できるという特長があります。

液体試料を測定する場合、試料を板上へ滴下したり、毛細管へ試料を導入したりするなど、試料を容器から取り出して測定することがありますが、特に揮発性の高い液体の場合には、測定完了までに試料が揮発して適切に測定できないことがあります。そこで、試料をバイアルに入れて蓋をしたまま測定を行うことで、揮発を防いだ状態での測定が可能となります。

バイアルホルダーとは
バイアルホルダーはパームトップラマン分光光度計の先端に差し込むだけで取り付け可能なオプション付属品です。2 mL 容量のバイアルに溶液や粉末を入れたまま測定を行うことができます。対物レンズから試料までの距離が一定となるため、ラマン測定において時間のかかるフォーカス合わせに必要な時間を短縮できます。

日本分光純正バイアル JASCO Vials を使用することで、励起波長 785 nm でのラマン測定によるガラスの蛍光の影響を低減できます。
ここでは、揮発性の高い液体であるアセトン、メタノール、エタノールの測定例を紹介します。

Keywords
定性、受入検査、スクリーニング、パームトップラマン分光光度計、バイアルホルダー
アプリケーションデータ番号
160-AN-0041
発行
2023年
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