技術情報 アプリケーション Application Data 040-UV-0028
UV Application Data

カラー診断システムによる反射物体色測定

Introduction

色は照明光が物体から反射または透過した光が目に入り判断される人の主観的な感覚です。工業製品において、製品の色を評価・管理する場合、人の主観ではなく、色を数値化し、定量的に判断することが重要です。

紫外可視分光光度計のカラー診断測定システムを用いると、試料の反射率または透過率スペクトルを測定し、測定されたスペクトルに対して照明の発光スペクトルと、人の目の赤・緑・青に対する分光感度スペクトルを掛け、その面積を計算することで物体の色を数値化することができます。ここでは、紫外可視分光光度計による色の数値化の例として、反射物体色の測定例をご紹介します。


人が見る反射物体色は、試料からの拡散反射光です。表面が鏡面や鏡面に近い状態の試料を正反射の位置から見ると、光源の反射光が強く見えるため、試料の色は見えにくくなります。そのため、このような試料を測定する場合には、正反射光は除いて拡散反射光を測定する必要があります。一方、試料表面が完全拡散反射面の場合、どの位置から見ても、試料の色が見えます。そのため、このような試料を測定する場合には、正反射光を除く必要はありません。

ここでは、試料表面が鏡面状態に近いプラスチック製カラー反射板と、試料表面が拡散反射面を持つ圧粉体カラー反射板について、正反射光を取り込んだ測定と、正反射光を除去した測定とを行い、数値化された色の違いを比較しました。

Keywords
反射物体色、積分球、色度図、L*a*b*、色差
アプリケーションデータ番号
040-UV-0028
発行
2015年
このApplication Dataをダウンロードする