温度変化によって物質の色が変化する現象をサーモクロミズムと言い、その性質を示す材料をサーモクロミック材料と言います。サーモクロミック材料は、マグカップやお風呂用玩具に代表されるようなデザイン用途としての使用だけでなく、ミルクの適温を知らせる指標付きの哺乳瓶や熱中症対策としての服やステッカー、気温により日射透過率が変化する窓ガラスなど、実用的な運用も多くなされています。
ここでは、低温では青、高温ではピンクに変化するサーモクロミックインクを用い、赤外分光光度計 (FT-IR) によって分子構造の変化を、分光光度計 (ポータブル分光光度計) によって色の変化を同時にモニタリングした結果をご紹介します。