ラマン分光法 アプリケーション集

ラマン分光法による食品の分析

左:ゆで卵の各部位のラマンスペクトル、右:卵黄部のラマンスペクトル
ゆで卵の各部位のラマンスペクトルを取得するとそれぞれ異なるラマンスペクトルを取得できました。殻に含まれるカルサイトは炭酸塩のため、CO3-2 のスペクトルや低波数側に格子振動のピークが見られます。
励起波長を変更して卵黄部を測定したところ、532 nm の励起波長ではカロテノイドの吸収帯に入るため、共鳴ラマン効果によりラマン散乱光が増強され、選択的にカロテノイド成分が検出されています。励起波長を長波長側に変えることで、カロテノイドの吸収帯から遠ざかり、共鳴ラマン効果の影響が小さくなり、カロテノイドとタンパク質の平均的なスペクトルが得られます。