一般的にガス分析には FTIR や非分散赤外分析装置、ガス検知管、GC-MS などが使用されます。FTIR は複数のガス成分を前処理なく短時間で測定できます。
数 ppm 以下の不純物ガス測定など、低濃度ガスの分析を行う場合には、長光路ガスセルが適しています。日本分光の長光路ガスセルは、光路長 12 m で光学系を最適化することにより高いスループットを実現し、ppm オーダーの低濃度ガスを TGS 検出器で定量することができます。
ガスセルのボディにはガラス製とステンレス製があり、用途によって選択いただけます。また、全真空型FTIR専用の長光路ガスセルも用意しています。
ステンレスタイプの長光路ガスセルを用いて、CO ガスを大気圧および+0.1 MPa に加圧して測定しました(図4)。加圧したスペクトルのピーク強度は圧力に比例して約2倍大きくなります。これにより ppm 以下の低濃度ガスをより高感度に測定できます。
水蒸気の標準ガス(15 ppm)を繰り返し測定することで大気中の水蒸気の影響を確認しました(図5)。測定手順は、水蒸気の標準ガスをガスセルへ導入後、測定、排気を繰り返し行いました。1653 cm−1 のピーク強度を見積もると 0.0316(Abs)±0.63 % と精度の良い結果が得られ、大気中の水蒸気の影響をほとんど受けていないことがわかります。