嫌気性条件下での測定を想定し、日本分光では試料密閉型一回反射 ATR ATR PRO 550X をラインナップしています。この ATR PRO 550X は試料シールド機構により、グローブボックスの外においても、嫌気性試料の測定を可能にしました。
図2のようなシールドが測定部位に取り付けられており、試料およびプリズムを外気から守っています。
このため、空気中で酸化を受けやすいリチウムイオン電池の電極表面の酸化還元状態の評価を行うことができます。
また、嫌気性の金属錯体や吸湿性試料の測定に適しています。
ATR PRO 550X は天板部を取り外すことができます。そのため、ATR 本体が直接グローブボックスに搬入できないケースにおいても、コンパクトな天板部のみをグローブボックスに搬入することができます。
グローブボックス内に搬入した天板部に対して試料を設置し、シールドキャップにより試料周りを密閉してグローブボックスから取り出し、再度本体に天板部を装着することにより測定準備が完了します。
使い勝手は一般的な ATR 付属品と同じです。また、通常の ATR として使用することも可能です。
日本分光では嫌気性サンプルの測定に対して、別のアプローチも用意しています。
FTIR 用グローボックスは FTIR 本体に取り付けて使用します。グローブボックス内部を窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスに置換できます。
そして、各種付属品をその中で使用することができます。