トピックス

日本分光付属品紹介 簡易サンプリング装置

概要

赤外分光光度計を用いた測定としてKBr錠剤法や拡散反射法があります。

これらの測定では、試料をKBrで希釈する必要があり、また錠剤法ではプレスで錠剤に成形する等の前処理が必要です。

Smart Techを使用することにより、前処理が容易に行え、効率的に赤外拡散反射測定を行うことができます。

※FT/IRの試料室に取り付けて使用する付属品です。

Smart Techの構成

以下の構成となっています。

  1. Smart Tech本体
  2. サンプリングホルダ
  3. 5連式セルホルダ
  4. 試料セル
SmartTech構成
図1 Smart Tech構成
測定対象・サンプリング

無機・有機などの粉末試料、プラスチックなどの硬めの試料、液体試料など測定対象は多岐にわたっています。

特に、セル表面のヤスリ状の突起により、硬い試料を削り取り、均一にサンプリングできることが大きな特長となっています。

粉末試料の場合

試料セル中央部に試料をのせ、表面が均一になるように広げることでサンプリングできます。

粉末試料のサンプリング
図2 粉末試料のサンプリング
固体試料の場合

セル表面で試料を削りとり、セル表面に付着した試料を測定します。

固体試料のサンプリング
図3 固体試料のサンプリング
液体試料の場合

セル中央部に試料を1~2滴滴下することでサンプリングできます。

液体試料のサンプリング
図4 液体試料のサンプリング
測定の流れ

試料をサンプリングしたセルを5連セルホルダにセットます。

その5連セルホルダをSmart Techにセットすることにより、測定を行うことができます。

試料が一つなどの場合は、5連セルホルダではなく、サンプリングホルダをそのままSmart Techにセットして測定を行うこともできます。

セルホルダ
図5 5連セルホルダ
メタンフェタミン(覚せい剤)の測定

覚せい剤の赤外測定にはKBr錠剤法や拡散反射法が用いられています。

これらの測定では、希釈等の前処理が必要なため、多検体を処理する際など、分析時間がかかってしまうという問題点がありました。

Smart Techでは希釈などの操作は一切不要なため迅速に分析を行うことができます。

メタンフェタミンのスペクトル
図6 メタンフェタミンのスペクトル