HTCD バッチ処理プログラムは、ハイスループット円二色性測定システム HTCD Plus と連携し、大量の CD スペクトルデータの処理を自動化するソフトウェアです。従来の手動データ処理では時間と手間がかかっていましたが、本プログラムを導入することで、データの読み込み・処理・保存を一括で行うことが可能となり、作業時間を大幅に短縮できます。
上市されている抗体医薬品であるリツキシマブの pH に対する安定性評価を行いました。
HTCD バッチ処理プログラムを用いて HTCD Plus で取得したスペクトルのデータ処理を行い、異なる pH 条件の試料 9 種類のスペクトルについて、BeStSel プログラムを用いて二次構造組成比を求めました。
リツキシマブは pH3 ‒ 10 の範囲では、二次構造変化が見られませんでしたが、pH2 になると二次構造が大きく変化することがわかりました。
本データセットを手動で前処理した場合、約 20 分の時間を要しますが、HTCD バッチ処理プログラムを使用することで 1 分で処理を完了することができます。
HTCD バッチ処理プログラムは pH 安定性解析など、多検体の測定と解析が必要な評価の効率化に威力を発揮します。
円二色性分散計 J-1500 にオートサンプラーを搭載した HTCD Plus で自動測定を行うことにより、サンプル交換などに伴う作業者の拘束時間を短縮します。