FTラマンの大きな特長の一つは蛍光性サンプルへの応用です。
図1のトリポリリン酸ナトリウムのラマン散乱スペクトルより、可視域励起に比べ、近赤外励起の方が蛍光を除去した測定が行えていることがわかります。
ラマン散乱スペクトルは赤外吸収スペクトルと相補的な関係にあります。
また、赤外吸収スペクトルでは観測でない振動モードの測定、また、赤外吸収スペクトルでは測定が難しい遠赤外領域の測定が可能です。
L-シスチンのスペクトルを示します。ラマン散乱スペクトルでは、S-S振動などの対称性が高い振動モードを強く観測できていることがわかります。
図3はポリアミド繊維の顕微写真とそのラマン散乱スペクトルです。RFT-6000では約φ10µmという微細な繊維を測定することができます。