製品情報 レーザラマン分光光度計

レーザラマン分光光度計

一段上の測定を実現する日本分光ラマンの機能

ラマンピークの検出を妨げる蛍光を除去

ラマン測定では、蛍光が大きいとノイズが大きく、定性が困難になります。高感度なラマン測定を行うには、どれだけ蛍光を除去(蛍光回避)できるかが重要になります。

Step 1 分光器スリットを絞る

スリットサイズを変えることで、蛍光の影響が低減します。

Step 2 DSF:Dual Spatial Filtrationを使う

“DSF(共焦点アパーチャーと(ピンホール)スリット)”を使うことにより、測定したい箇所(焦点面)のみのラマン光だけを検出します。

Step 3 励起波長の切換

励起波長を変えてサンプルの蛍光を軽減します。長波長のレーザーや短波長のレーザーに切換えることで、蛍光を回避します。

加熱/冷却して測定する

室温~600 °C、-190~600 °C、室温~1500 °Cの設定温度範囲に対応した加熱冷却システムを用意しています。高温測定では高温になると発光(熱輻射)でピークを判別するのが難しくなりますが、Dual Spatial Filtration(DSF)を搭載したNRS-5500、NRS-7500では、高温時のピーク変化を測定することができます。Siの測定例では、試料温度上昇に伴うSiピークの低波数シフトとブロードニングを測定できています。
加熱測定時の加熱ステージとスペクトルの変化

レーザー走査によるイメージング SPRIntS

SPRIntSはレーザー走査によるイメージング方式です。流動性のある試料や、液浸レンズや加熱ステージの使用時など、ステージを動かすことのできない測定に有効です。
加熱ステージを組み合わせることで、ステージを動かすことなく、温度変化イメージを得ることができます。積層セラミクスコンデンサ断面を加熱測定すると、520 cm-1のピーク(TO)がシフトしていることから、BaTiO3 の構造が昇温と共に変化していることが分かります。
BaTiO3の加熱測定時のスペクトル変化
SPRIntS イメージ図

試料の配向を評価

ポリマー材料の機能や特性に深く関係している配向状態を評価することができます。極座標にてプロットすることで一軸に強く延伸されていることが分かります。
ポリエチレンの配向測定(0°(赤)、90°(青)、180°(黄)のスペクトル)
1100°付近のC-C骨格振動ピークのピーク強度のプロット

シェアリングホルダーによる簡単位置合わせ

シェアリングホルダーを用いることで、試料を回転させても、簡単に位置合わせができます。これにより、同一箇所の偏光測定を簡単に行うことができます。
①試料の回転
測定後、試料を回転
②ステージ移動
回転中心座標と回転角度から測定座標を計算してステージ移動
③画像マッチング
画像マッチング機能で微小なズレを補正

JASCO Particle Analysisで簡単粒径解析

観察画像や色分け図から粒子のサイズや面積、色などの情報を取得できます。取得した情報をもとにヒストグラムや度数分布、相関分布の作成が可能です。さらに、ヒストグラムは成分ごとの積み上げヒストグラムにもできます。
ダイヤモンドの分布(色分け図)とヒストグラム、相関分布表示