マルチチャンネル赤外顕微鏡

IRT-7X
赤外顕微鏡 IRT-5X
マルチチャンネル赤外顕微鏡 IRT-7X は、圧倒的な観察画質の向上と高速化されたリニアアレイ検出器の高次元デジタル処理により、より高速で高精細な赤外イメージングを実現しました。異物解析や材料研究における“観る・測る・解析する”を次の次元へ導きます。
  • Fast IR Imaging - 高精度なケミカルイメージを高速に -
  • High Quality Observation - 高品質の観察画像 -
  • Automation & Usability - 自動化と使いやすさの追求 -
  • Unique Technique - 日本分光独自のソリューション -
  • Various Analysis - 多様な解析ツール -
赤外顕微鏡 IRT-7X の特長
イメージング測定の高速化 - Fast IR Imaging -

IRT-7X に搭載された高速自動ステージと 16ch リニアアレイ検出器は、FT/IR のラピッドスキャン測定と連動して高速にデータを取得し、1 秒間に最大 160 スペクトルの測定を実現します。

リアルタイム描画を実現する高次元デジタル処理

16ch リニアアレイ MCT 検出器からの信号は、専用設計された並列回路により各チャンネルごとに同時処理されます。さらに新開発のチャンネル独立型オートゲイン機能により、すべてのチャンネルで信号を個別に最適化。より高精細なケミカルイメージを高速で取得することが可能になりました。また、測定データは並列演算処理によってリアルタイムに処理され、描画速度は従来比で約 4 倍に向上。イメージ描画のリアルタイム性が大幅に強化されています。

リアルタイム描画を実現する高次元デジタル処理
高品質の観察画像 - High Quality Observation -

高品質の観察画像が測定点の探索を容易にします。
500 万画素の高解像度カメラと新規設計された光学素子により、観察画像の高彩度化・高コントラスト化を実現しました。反射率の低い試料や可視偏光子等の使用によって光量が少なくなる場合でも、鮮明な観察画像を得ることができます。

アヤメの根(透過観察)
アヤメの根(透過観察)
はんだ上の汚れ(反射観察)
はんだ上の汚れ(反射観察)
名刺上の印字(反射観察)
名刺上の印字(反射観察)
×16 カセグレイン観察画像

マルチ画像の効率的な取得

マルチ画像の撮像を現在位置から好きな場所まで、効率的に撮像できる渦巻き撮像機能を搭載しています。観察画像周辺のサンプルを探索する場合やサンプルの全体像を確認する場合に有効です。
観察画像
もみ殻付のコメの赤外イメージング測定
(顕微反射測定)
左:観察画像(実体顕微鏡)
中央:観察画像(IRT-7X、4 倍対物レンズ)
右:イメージング測定結果
(緑:タンパク質、赤:脂質、青:デンプン)
データ提供:ジャスコエンジニアリング株式会社
多様な解析ツール - Various Analysis -

測定データを様々な角度から解析するプログラムにより、新しい知見を得られます。

解析アシストによるケミカルイメージ作成

ケミカルイメージを多様な表現方法で表示することができます。カラー3D 表示や色分け表示、等高線表示の他に観察画像とオーバーレイ表示することもできます。
カラー3D 表示
カラー3D 表示
観察画像
観察画像
観察画像と色分け表示のオーバーレイ表示
観察画像と色分け表示のオーバーレイ表示
解析アシストを用いると、データ処理から MCR モデル解析までをフローチャートに沿って順に実行するだけで、主成分分析に基づいた色分け図をどなたでも簡単に作成できます。
MCR 計算の実行
MCR 計算の実行
色分け図の作成
色分け図の作成

JASCO Particle Analysis

観察画像やケミカルイメージ情報を基に粒子ごとのサイズ、面積、円形度、縦横比などを解析し、ヒストグラム、度数分布表、相関分布を簡単に作成できる粒径解析プログラムです。
観察画像
観察画像
イメージング測定結果
イメージング測定結果
成分ごとの積み上げヒストグラム(横軸:粒子サイズ)
成分ごとの積み上げヒストグラム(横軸:粒子サイズ)
マイクロプラスチックの粒径解析(データご提供:株式会社東ソー分析センター様)

Disrelation 2次元相関マッピング(オプション)

2次元相関マッピングは産業技術総合研究所の新澤英之先生により考案された、スペクトルに変化が生じている相界面を明瞭にする解析手法です。2次元相関マッピングを用いることで結晶性、分子配向、水素結合などの状態が大きく変化している箇所を明瞭にすることができます。
観察画像
観察画像
イメージング測定結果 - ピーク高さ比-(結晶性の高さ)
イメージング測定結果 - ピーク高さ比-
(結晶性の高さ)
2次元相関マッピング計算結果(結晶性の変化度の高さ)
2次元相関マッピング計算結果
(結晶性の変化度の高さ)
自動化と使いやすさの追求 - Automation & Usability -

顕微測定プログラムの UI を一新、操作性が向上

ユーザーの操作動線を徹底的にシミュレーションし、画面構成を「観察画像/ステージ操作/測定ツール/測定条件設定+スペクトル」に集約。操作の流れに沿った直感的なレイアウトにより、効率的な測定を実現します。各サブウインドウは、用途に応じて配置の変更や表示・非表示の切り替えが可能で、必要な情報を一目で確認できます。メインの観察画像に加え、複数の画像を合成したマルチ画像も並べて表示でき、いずれの画像上でも測定エリアの指定が可能です。また測定中には双方の画像上にリアルタイムでケミカルイメージを表示させることもできます。サブマップ表示では、自動ステージ全体を俯瞰でき、クリックした位置へステージを即座に移動させることが可能です。これにより、サンプル設置後も測定点への迅速なアクセスを実現します。
顕微測定プログラム

オートフォーカス・オートコレクト・オートブライトネスをワンクリック操作

観察・測定に必須の照明光・Zステージ・集光鏡の調整を1箇所に集約して、「Auto」ボタンをワンクリックで全自動調整が可能です。また、個別に自動調整をすることも可能です。
「Auto」ボタン

スライドイン方式で集光鏡の交換が容易

集光鏡の取付がスライドイン方式のため、簡単に倍率の異なる集光鏡に変更することができます。また、厚さ 40 mm の試料の反射測定が行えます。
集光鏡の着脱は、新設計のスライドイン方式を採用
集光鏡の着脱は、新設計のスライドイン方式を採用
40 mm試料を設置可能
厚さ 40 mm に対応した試料設置スペース(反射測定のみ)