技術情報 アプリケーション Application Data 080-AT-0288
FTIR Application Note

多変量解析による食品中成分の定量分析~酒類のアルコール度数評価~

Introduction

食品中成分の定量に赤外分光光度計(FT-IR)が用いられており、簡便な分析法として ATR 法と多変量解析を組み合わせた方法が有効です。ATR 法は前処理が不要な測定手法で、プリズムに試料を密着させるだけで簡単に測定が可能です。多変量解析は、食品のように多成分が混合している試料に有効な解析手法です。特定のバンドではなく一定の波数領域を用いて定量を行うため、ピーク高さや面積での定量が難しい目的成分とキーバンドの重なる成分を持つ試料でも定量可能となります。

ここでは、ATR 法と多変量解析の一種である部分的最小二乗回帰(Partial Least Squares Regression, PLS)法を用いて、酒類のアルコール濃度を定量した事例をご紹介します。酒類のアルコール度数はアルコール濃度を表示するものであり、この濃度は製造方法やその過程において決定されます。アルコール度数は税率や酔いやすさに関係するため、酒類の製造メーカーにも購入者にも非常に重要な数値といえます。今回は蒸留酒や醸造酒など、複数種類の酒類のアルコール濃度を定量しました。

Keywords
定量、ATR法、多変量解析、PLS、液体、食品、発泡性酒、醸造酒、蒸留酒、混成酒
アプリケーションデータ番号
080-AT-0288
発行
2023年
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