技術情報 アプリケーション トピックス 3Dスペクトルの熱変性解析プログラム-ThermaFit3D プログラム-
トピックス

3Dスペクトルの熱変性解析プログラム-ThermaFit3D プログラム-

HTCD バッチ処理プログラム

ThermaFit3D プログラムは、単一波長のモニターではなくスペクトル全体の変化からタンパク質や核酸の複雑な熱変性過程を解析できるプログラムです。
温度変化CDスペクトル(3D CD スペクトル)に対して、熱力学モデルを拘束とした MCR-ALS* を用いることで、「純成分のスペクトル」、「各純成分の濃度分布」、「各相転移の熱力学的パラメータ(Tm、ΔH、ΔS)を取得することが可能です。また、残差スペクトルを同時に取得することができ、解析の妥当性を評価することが可能です。
* 日本分光特許技術

HTCD バッチ処理プログラム

中間体を含む熱変性過程も解析可能

核酸は、カノニカルな二重鎖だけでなく三重鎖、四重鎖など多様な高次構造を形成することが知られています。さらに、これらの高次構造が平衡状態として存在し、環境に応じてダイナミックに変化することが報告されています。一方で、複雑に混ざり合った試料の情報を抽出することは容易ではありません。核酸の高次構造評価法として広く浸透している CD 分光法に対して日本分光の特許技術を利用した ThermaFit3D を用いた解析を行うことで、どのような高次構造を形成している成分が、どのような比率で存在しているか?を明らかにすることが可能です。

データ処理の完全自動化

使用例:インスリン結合アプタマーの構造の混合状態の解析

ThermaFit3Dを用いることで、これまで単一の構造を形成していると考えられていたインスリンアプタマーが5種類の構造を形成し、温度に応じてダイナミックに存在比率が変化していることが明らかになりました。

本結果は、東京農工大学 生命工学専攻 池袋・浅野・津川 研究室との共同研究の成果です。ThermaFit3D プログラム を用いた解析の詳細は以下論文をご参照ください。
Functional and Structural Analyses of Diverse G-Quadruplex and Non-G-Quadruplex Structures Formed by Guanine-Rich Nucleic Acids: A Study on the Insulin Aptamer. doi: 10.1002/smll.202501336.

Helix

システム要件

対応OS:Windows 11 Pro
※ JW3DTF-535型 ThermaFit3D プログラム を使用する際には、Spectra Manager 2.5のインストールが必要です。
※ JW3DTF-535CFR型 ThermaFit3D CFR プログラム を使用するには、Spectra Manager 2.5 CFRのインストールが必要です。