ATR法は、試料をプリズムに密着させるだけで非破壊で測定することができる測定法です。
大型試料対応1回反射ATR ATR PRO ONE Tは、測定面をFTIR本体より高い位置に設け、試料室に収まらない大型試料を直接サンプリングできるようにしました。成型品や大型サイズの製品をそのまま測定することができます。
図2のように、大型の試料を前処理せずにそのままプリズムに設置して測定することができます。
6インチサイズの試料であれば、試料中心の測定が可能なスペースを確保しています。生産ライン上のシート・フィルムや車輌のバンパーなどの成型品が前処理なしにそのまま測定できますので、製品の最終全品検査などへの適用も考えられます。
A1サイズのポリ塩化ビニル(PVC)シートを大型試料対応1回反射ATRを用いて測定し、可塑剤にフタル酸エステルが使用されているかを判定しました。
PVCに由来する吸収から、測定したシートの材質がPVCだと確認できました。また、フタル酸エステル類に由来する吸収が見られたことから、可塑剤にフタル酸エステルが使われていることが分かりました。
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