多環芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons: PAHs)は、有機物の不完全燃焼によって生成し、ディーゼル排ガスや石炭燃焼粉じん、タバコ煙中に含まれ、中には強い発がん性を示す化合物もあります。そのため、大気汚染や健康影響の観点から、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)をはじめとする各国機関で規制の対象となっています。また、ほとんどのPAHsは共役二重結合を持つ構造のため、自然蛍光を持っています。
今回は、LC application data No.032006Uでご紹介した高耐圧セルを備えた蛍光検出器(FL検出器)を用いて、16成分のPAHsを超臨界流体クロマトグラフ(SFC)で分離・検出し、紫外可視吸光度検出器(UV/Vis検出器)と感度の比較を行った結果を報告します。