技術情報 アプリケーション Application Data 100-CA-0004
Application Note

Disrelation 2次元相関マッピングを用いた高分子の結晶性評価

Introduction

顕微 FT-IR と顕微ラマン分光光度計は試料面内の各点でスペクトルを測定し、ピークの高さやバンドの面積からケミカルイメージを作成するイメージング分析に用いられます。イメージング分析は試料の成分、分子配向、結晶性などの分布状態を可視化できることから高分子・医薬品・食品・半導体など幅広い分野で利用されています。しかし複数のバンドが重なり合う場合や試料が複雑に混ざり合っている場合には明瞭なイメージを得られないことがあります。

この問題を解決する手法として二次元相関マッピングが提唱されました1)-2)。二次元相関マッピングは主に時間変化スペクトルの解析に利用されていた二次元相関分光法a)をイメージング分析に導入した手法であり、スペクトルに変化が生じている領域を顕著に抽出することで相界面のイメージを明瞭に得ることができます。ここでは顕微 FT-IR と顕微ラマン分光光度計のイメージング測定結果に対して二次元相関マッピングによる解析を用い、ポリプロピレンの結晶性が大きく変化する箇所を明瞭にした結果をご紹介します。

参考文献
1) H. Shinzawa, J. Mizukado, S. G. Kazarian : Appl. Spectrosc., 71, 1189 (2017). DOI: 10.1177/0003702816670917
2) H. Shinzawa, B. Turner, J. Mizukado, S. G. Kazarian : Analyst, 142, 2475 (2017). DOI: 10.1039/C7AN00337D

関連 Application Note
a) 280-CA-0002 3次元スペクトルの詳細な解析に有用な”二次元相関分光法”

Keywords
Disrelation 2次元相関マッピング、二次元相関マッピング、高分子、結晶性評価、相界面、顕微FT-IR、顕微ラマン、イメージング測定
アプリケーションデータ番号
100-CA-0004
発行
2024年
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