技術情報 Web基礎セミナー 超臨界流体の基礎(6) 超臨界流体システムのハイフネーション技術
超臨界流体の基礎

超臨界流体の基礎(6) 超臨界流体システムのハイフネーション技術

オンラインSFE/SFCシステム

オンラインSFE/SFCシステムは超臨界流体抽出(SFE)と超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を組み合わせたシステムです。日本分光においても、1980年代半ば頃には、検出器としてフォトダイオードアレイ紫外多波長検出器を備えたオンラインSFC/SFEシステムを発表しています。

図1は基本的なSFE/SFCシステムの流路図を示したものです。CO2PumpおよびModifier(Entrainer) Pumpで送られた二酸化炭素と有機溶媒が抽出容器(Extraction vessel)に送られ抽出が行われます。操作圧力は自動圧力調整弁(Back Pressure Regulator)、操作温度は抽出容器のヒーターで制御します。

抽出時は、分離カラム(Column)を通さないようにします。抽出の状況はフォトダイオードアレイ紫外可視多波長検出器(PDA detector)でモニターすることができ、抽出プロファイルは3D表示や等高線で確認することができます。抽出物はTrap ColumnまたはTrap loopのバルブを切り換えることによってトラップすることができます。

SFE/SFCシステムの流路図
図1 基本的なSFE/SFCシステムの流路図

Trap ColumnやTrap loopでトラップした抽出物をSFCで分離分析を行う場合は、抽出容器(Extraction vessel)を流路から外し、分離カラム(Column)を通すように各バルブを切り換えます。Trap ColumnやTrap loopのバルブを切り換えることにより、抽出物を分離カラムに送ることができます。操作圧力、操作温度は、それぞれ自動圧力調整弁(Back Pressure Regulator)とカラムオーブン(Column oven)で制御します。フォトダイオードアレイ紫外可視多波長検出器(PDA detector)でクロマトグラムや目的成分のスペクトルを得ることができます。

SFE-SFCクロマトグラフィーシステム
図2 SFE-SFCクロマトグラフィーシステム

上述のシステムは基本的なものですが、抽出物のトラップをより確実にするために、Trap ColumnやTrap Loopの後ろに自動圧力調整弁(Back Pressure Regulator)を新たに1台加えたり、抽出部とは別にクロマトグラフ部にCO2ポンプ、モディファイアポンプを加えたりすることも可能です。抽出・分離した成分を分取するために、クロマトグラフ部にメイクアップポンプやフラクションコレクターを加えたりする場合もあります。また、このシステムに質量分析計を加えると、オンラインSFE/SFC/PDA/MSシステムになります。

MSトリガーによるPrep SFC-MSシステム

図3はPrep SFC-MSの流路図を示したものです。MS検出器の信号によりフラクションコレクターを動作させるため、UV吸収がない成分を分取することが可能です。紫外可視領域に吸収がある成分については、フォトダイオードアレイ紫外可視多波長検出器でクロマトグラムやスペクトルを測定することが可能です。

Prep SFC-MSの流路図
図3 Prep SFC-MSの流路図

次の図は医薬品5成分をMSトリガーで分取した例を示したものです。タイムプログラム機能で、イオン源及びm/zを切り替えながら測定を行い、目的成分のMS信号が一定の閾値となったとき分画を行っています。

分取SFC-MS
図4 医薬品成分をMSトリガーで分取

質量分析計は同じ質量の異性体を識別することができません。光学異性体を抽出・分離する場合、円二色性(CD)検出器を質量分析計と併用することも可能です。

また、質量分析計でイオン化しない試料については、蒸発光散乱検出器(ELSD)を使用することも可能です。

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