バキュームシッパー NQF-930/NQF-929 は、紫外可視近赤外分光光度計 V-700 シリーズと組み合わせて使用するバキュームポンプタイプのシッパーです。バキュームポンプを使って、試験管などの容器から直接試料や洗浄液をフローセルに吸引します。そのため、角型セルに比べて、セルの洗浄や乾燥の手間が省かれ、多検体を効率的に測定することができます。測定後の試料や洗浄液は廃液ビンへ回収されます。
簡単操作で測定が進められるため多くの液体試料を素早く測定できます。特に多検体の測定が行われることが多い水質測定に最適です。
オールテフロン配管で強酸・強アルカリ溶液などの腐食性物質を含んだ試料に対しても、優れた耐薬品性・耐久性を発揮します。
フローセルは2種類から、試料の濃度に合わせて選択できます。10 mm と 50 mm の両方を使用する場合は、ポンプ等セルホルダー以外の部分を共有できます。
測定法または試料名 | 光路長 | |
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10 mm | 50 mm | |
色度(三波長を用いる方法) JIS K 0102-1:工業用水・工場排水試験方法 -第1部:一般理化学試験方法 |
右記より濃度が高い場合 |
α(λ)*が 10 cm-1 より小さい場合 (光路長 10 mm 以上の吸収セルを使用) |
六価クロム化合物(水道水質基準、水質環境基準) | 右記より濃度が高い場合 | 0.04 mg/L を下回る場合 |
クロム(クロムⅥ [Cr(Ⅵ)]) JIS K 0102-3:工業用水・工場排水試験方法-第3部:金属 ジフェニルカルバジド吸光光度分析法 |
右記より濃度が高い場合 | クロムの濃度が 0.04 mg/L を下回る場合 |
全窒素 JIS K 0102-2:2022:工業用水・工場排水試験方法 -第2部:陰イオン類,アンモニウムイオン,有機体窒素,全窒素及び全りん 酸化分解―紫外線吸光光度分析法 |
右記より濃度が高い場合 | 0.4 mg/L を下回る場合 |
全りん JIS K 0102-2:2022:工業用水・工場排水試験方法 -第2部:陰イオン類,アンモニウムイオン,有機体窒素,全窒素及び全りん モリブデン青吸光光度分析法 |
右記より濃度が高い場合 | 全りんの濃度が低く、吸光度が小さい場合 |
フローセルで一連の定量作業を行っている最中に、
・高濃度のスタンダード試料を測り直したい
・少しだけ別の試料を測りたい
・急遽、性能確認を行いたい
等のケースでご好評頂いている機能です。
NQF-929(フローセル光路長 50 mm タイプ)は試料の排出口を改良し、キャリーオーバーの低減を達成しました。
一度に最大150本の試験管をセットできます。洗浄も自動で、洗浄のタイミングは事前に設定できます。シーケンス機能を使うことで測定前の条件設定も簡単に行えます。また、水質測定で使われる共栓比色管や試験管が置けるオートサンプラーもご用意しています。