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観察型顕微ATRで、微小異物をプリズム越しに観察しながら簡単に測定

概要

ATR-5000-SS(ZnS)/SD(Diamond)は、通常の試料観察と試料/プリズムの密着状態での観察が可能です。IRT-5000/7000とこの観察型顕微ATRを組み合わせることで、密着観察時のスペクトル同時測定(スマートモニタ機能)、光軸走査によるプリズム中心以外の測定(スマートマッピング機能)が可能となります。これらの機能を利用することで、密着時にサンプルがずれ易い流動性の高いゲル状サンプル内の微小異物やプリズム密着時に形状が変化する軟らかい異物、表面に凹凸があって密着性の悪いサンプルに関して的確に測定位置を決定できます。さらに粘着性の高いサンプルをATRイメージングする場合、繰り返しプリズムとサンプルを密着させる従来法ではプリズムとサンプルのクロスコンタミネーションが発生しますが、スマートマッピング機能によって密着状態を保持したままで赤外イメージング測定を簡単に実現できます。
観察型ATR
図1 観察型ATR(ATR-5000-SS)

ATR-5000-SSを利用したネイルカラーの測定

ネイルカラーにはさまざまな色のついた粒子が入っています。ネイルカラーをゲル状のモデル試料、粒子を微小異物と見立て、ATR-5000-SSを用い測定しました。通常の観察画像、プリズムと試料を密着させた画像を図に示します。ここではスマートマッピング機能を利用し、プリズムと試料を密着させた状態で多点測定を実施しました。その結果ベース部分では顔料、ハイライト(粒子)でシリカのスペクトルが検出されました。
ATRによるネイルカラー測定