蛍光分析の特長は、高感度、高い選択性、溶媒等の周囲の性質が分かる、などが挙げられます。
●高感度
吸光分析が入射光の減少分を検出するのに対し、蛍光分析では発光を検出します。これは、光のない真っ暗の状態をゼロとしてそこからの増加分を検出することになり、吸光分析に比べて高感度です。
●高い選択性
蛍光を出す分子種は比較的限られています。さらに、蛍光波長と励起波長が一致する物質はごくわずかです。このため、蛍光分析は高い選択性を有します。測定したい分子に蛍光性の分子を結合させ、蛍光標識して使用する例も数多くあります。
●周囲の性質が分かる
蛍光スペクトルの形状や強度は、蛍光性分子の周囲(溶液のpH、温度、溶媒の種類、共存塩)から影響を受けます。これらの性質を探る手段として、蛍光分析が利用されています。