溶存酸素による消光
ナフタレン、アントラセンなどの蛍光物質は、溶存酸素によって蛍光強度の低下が見られ、再現性の良いデータが得られません。そのため、N
2ガス置換や真空脱気を行って溶存酸素を取り除き、測定する必要があります。
温度消光
一般に、蛍光物質は温度の上昇とともに溶媒の運動、衝突によって熱的に失活するため蛍光強度が減少します。そのため、蛍光測定では吸光測定以上に温度の管理が重要です。
濃度消光
ほとんどの蛍光物質は高濃度になると、蛍光強度が減少します。内部遮断と類似していますが、そのメカニズムは異なっており、分子間の相互作用による影響といわれています。プソイドシアニン水溶液のように、高濃度のときだけ、蛍光を発する物質もあります。
不純物による消光
蛍光測定に用いる試薬や溶媒の純度が低い場合、不純物が試料からの蛍光を吸収したり、不純物が試料と反応したりすることで消光するケースがあります。