トピックス

バイオ医薬品をはじめとした新規モダリティによる医薬品の評価・分析

新規モダリティにフォーカスした評価・分析例のご紹介 ーNew Drug Modalities Projectー

日本分光では、抗体医薬品・核酸医薬品などの新しいモダリティにフォーカスした New Drug Modalities Project を展開しています。
このプロジェクトでは、最新の創薬モダリティ(バイオ・中分子医薬等)に対し、日本分光の分析を通して新しい情報を取得・発信することで、医薬品の開発・製造や人々の健康に貢献することを目指します。

こちらのページでは、New Drug Modalities Project の最新の活動情報を随時更新します。
抗体・核酸の二次構造や三次構造の情報を取得できる円二色性分散計や赤外分光光度計、側鎖の情報を多く取得して高次構造の評価に利用可能なラマン分光光度計、その他にも分光蛍光光度計や紫外可視分光光度計、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)などの最新ソリューションやアプリケーションをご紹介します。

Topics

バイオ医薬品の構造変化を統計的に評価 ーqHOS プログラムー

円二色性分光法はタンパク質の高次構造の情報を容易に短時間で取得できることから、円二色性分散計はバイオ医薬品の開発や品質管理に利用されてきました。しかし、CDスペクトルの差異がどの程度なら有意な差であるかに関しては、長年、経験則や目視での判断が求められました。

qHOS プログラムは、二つ以上の試料のスペクトルの同一性や有意差を統計検定を用いて判定することができ、バイオ医薬品の高次構造の同等性を客観的に評価することができます。

タンパク質の高精度構造解析 ーBeStSel プログラムー

これまで難しかった抗体などのタンパク質の二次構造を高精度に推定できる BeStSel エンジンを採用した、 CDスペクトル用二次構造解析プログラムです。

円二色性スペクトル測定の自動化 ーHTCD Plusー

円二色性分散計 (CD) は、タンパク質や核酸の高次構造の情報を様々な溶媒条件下で迅速かつ容易に取得できることから、研究開発から品質管理まで幅広く利用されています。HTCD Plus(High-throughput Circular Dichroism Measurement System)は、多検体の試料測定、流路洗浄を自動化することで多検体のデータを効率的に取得することができます。

核酸の Tm 解析

紫外可視分光光度計 V-700 シリーズでは Tm 測定に最適なペルチェセルホルダーやプログラムをご用意しています。温度変化測定・メルティング解析プログラム VWTP-959 には、自動アニーリング機能が搭載されています。
空冷ペルチェセルホルダー EHCS-932 を使用すると恒温槽を使わずに 0 ~ 100 °C の制御ができ、手軽に温度変化測定を行うことができます。

抗体医薬品アプリケーションデータ

抗体医薬品 eBook
本 eBook では、抗体医薬品に関する高次構造評価のソリューションを、高次構造解析・同一性確認・安定性試験・強制分解試験の4つに分けてご紹介しています。

抗体医薬品の熱変性メカニズムの追跡 -JASCO Spectra ManagerTM 2.5 BeStSel による評価-

蛋白質である抗体は、熱などの外部刺激による構造変化でその機能が失われます。CD 分光法は、溶液中のタンパク質の熱による高次構造変化を直接評価できます。ここでは JASCO Spectra ManagerTM 2.5 BeStSel を使用して、抗体医薬品の熱による二次構造崩壊のメカニズムを追跡した結果を報告します。

製剤化された抗体医薬品の二次構造解析 -JASCO Spectra ManagerTM 2.5 BeStSel による評価-

抗体医薬品の多くは 10 mg/mL 以上の高濃度で製剤化されるため、希釈せずに抗体の高次構造の評価を行うことは非常に重要です。ここでは、短光路セルと JASCO Spectra ManagerTM 2.5 BeStSel を組み合わせて、製剤化された抗体医薬品に対して高精度な二次構造解析を実施した結果を報告します。

第 24 回日本蛋白質科学会年会

VHH抗体医薬品の高次構造評価
IgG抗体と比べて分子サイズが小さいVHH抗体は、熱やpHに対する安定性が高い、リフォールディング能力が高い、などの特長を有します。この特長から次世代の抗体医薬品のみならず機能性分子として様々な分野で注目を集めております。ここでは、ハイスループットCDシステムとスペクトルの統計解析や高精度な二次構造解析法BeStSelを組み合わせてVHHの特長である安定性、リフォールディング能を網羅的に評価しました。

核酸医薬品アプリケーションデータ

CBN 結合型DNA アプタマーの高次構造と交差反応性の評価

DNA アプタマーは、高次構造 (HOS) を形成することでタンパク質などの標的分子に特異的に結合する一本鎖 DNA オリゴヌクレオチドで、バイオセンサーや核酸医薬への応用が進められています。
ここでは、 最大192 試料の CD スペクトルを自動測定可能なHTCD Plus ハイスループット円二色性測定システムを用い、標的分子への結合に伴うDNAアプタマーの高次構造変化、およびDNAアプタマーの 標的分子とその類縁体への交差反応性を評価した結果を報告します。

ハイスループット CD システムと主成分分析を用いた G4 アプタマーの構造評価

円二色性分散計 (CD) は、水溶液中の核酸の高次構造を低濃度かつ様々な溶媒条件下で評価することができます。ここでは、ハイスループット CD (HTCD) システムと主成分分析 (PCA) を用いて、脳内で凝集すると認知症などの神経変性疾患を引き起こす原因となるα-シヌクレインに特異的に結合する Gquadruplex (G4) アプタマーの三次構造の評価を行ったアプリケーションを紹介します。

mRNA単独 および脂質ナノ粒子(LNP) を用いて粒子化されたmRNAの高次構造と安定性の評価

円二色性 (CD) 分光法は、熱・pH・添加剤・化学変性剤などの摂動によるタンパク質や核酸の構造変化を追跡できます。
ここでは、メッセンジャー RNA(mRNA)医薬品について、mRNA単独と脂質ナノ粒子(LNP) を用いて粒子化されたmRNAで、高次構造の熱に対する安定性を比較をしました。

コンパクト・効率的な核酸のTm 評価システムのご紹介

アンチセンス核酸や si RNA の薬効の発現には核酸の二本鎖形成が必須であるため、二本鎖の安定性の指標となる変性中点 (Tm) の評価が重要となります。 日本分光は、循環恒温槽不要で 100 °C まで加熱できる空冷式のペルチェセルホルダーと、測定前のアニーリングを自動化した Tm 評価システムを開発しました。このシステムでオリゴ核酸の二本鎖形成の Tm および他の熱力学パラメーターを高精度に算出した結果を紹介します。