試料(青線)の反射スペクトルを測定したところ、普段とは違うスペクトル(赤線)になったという事例があります。ほとんどの場合は「標準白板の汚れ」、または「積分球の汚れ」が原因です。
標準白板の汚れ
積分球の反射スペクトルは、標準白板を参照にします。この白板を手で触ったり、溶剤の雰囲気に曝したり、床に落としてしまうと汚れが付着して、特に紫外域における反射率が落ちます。これを参照すると、試料の反射率が高くなってしまうことがあります。
標準白板の管理方法
実用的な評価方法として標準白板を2つ用意し、1つは基準白板として大切に棚の中などに保管し、1つは日常の測定用の白板にします。2つの白板が同じように汚れる可能性は低いので、基準白板に対する測定用白板の反射率を測定すれば、測定用白板の汚れを見つけられるでしょう。また基準白板は、実験室とは別の部屋に保管しておくことで、空気による汚染も見つけられるでしょう。
積分球の汚れ
例えば、積分球の中に蛍光性のサンプルがこぼれ、測光値が異常になってしまったことがあります。積分球に紫外光を入射して、光っているものがないか確認します。