技術情報 Web基礎セミナー 紫外可視分光光度計の基礎(3) 紫外可視分光光度計の応用例
紫外可視分光光度計の基礎

紫外可視分光光度計の基礎(3) 紫外可視分光光度計の応用例

これまでのまとめ

  • 光とは、特定の範囲の電磁波です。
  • 物質の色は、特定の波長域の光の吸収と、それ以外の光の反射・散乱により生じます。
  • 分光光度計を用い、物質の持つ色を、各波長に対する透過・反射率(スペクトル)として測定できます。
  • Bouger-Beerの法則により、物質の濃度を測定すること(定量)ができます。

電子部品に含まれる六価クロムの分析

EUは環境対策の一環として、RoHS(電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令)を導入、その中で六価クロムの使用を規制しています。六価クロムはクロムメッキや塗装など幅広く使われており、RoHS対応には、それらあらゆる製品で六価クロムが含まれていないことを証明しなければなりません。ジフェニルカルバジドという化合物は六価クロムと錯体を形成し、赤紫色に発色することが知られています。沸騰した水の中に電子部品などの試料を入れ、溶出液にジフェニルカルバジドを加えて発色させることで、六価クロムの存在の確認と定量が可能です。
六価クロムの溶出、発色のスペクトル
図1 六価クロムの溶出、発色のスペクトル


参考文献(UV Application Data)
RoHS指令におけるクロム定量 ~クロメート処理されたネジの六価クロム定量(170-UV-0007)

日焼け止めクリームの性能評価

日焼け止めクリームは、皮膚に塗ることで日焼けの原因となる紫外線をカットする商品です。従来、被験者による皮膚パッチテストで効果を評価していました。しかし、健康で過敏症のない被験者10名が必要で、日焼けするまで待つ必要があることなど、時間とコストのかかる試験方法でした。
日焼け止めクリームの効果の表示方法として、SPF値(280~320nmの赤くなる日焼けに対する効果)とPA値(320~400nmの黒くなる日焼けに対する効果)の二つがあります。波長の異なるSPF値、PA値の算出に、紫外可視分光光度計を活用するというニーズに対し、試料を専用セルに塗布して測定する方法と、専用の計算プログラムを適用することで、SPF値・PA値の算出が可能になりました。
日焼け止めクリームの測定
図2 専用セル(上)と日焼け止めクリームの測定(下)
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