技術情報 アプリケーション トピックス 紫外可視近赤外分光光度計付属品紹介 水冷ペルチェセルチェンジャー
トピックス

紫外可視近赤外分光光度計付属品紹介 水冷ペルチェセルチェンジャー PAC-743/PAC-743R

概要

PAC-743/PAC-743R* は紫外可視近赤外分光光度計 V-700 シリーズと組み合わせて使用する、試料を精度よく温調できるセルチェンジャーです。ペルチェ効果による高精度な試料温調に加え、一度に6~8個のセルをセットできるため、試料の濃度、混合比率など、条件を変えた複数試料をまとめて自動測定することが可能です。試料の温度をセンサーで直接計測することができ、測定時の実測試料温度を横軸にした温度変化データを取得することができます。
* PAC-743R はリファレンス側もサンプル側と同様に温調することができます。

液体試料を広い温度範囲で高精度に温調

温度制御範囲は 0~100 °C、温度制御精度は ±0.1 °C です。日本分光のペルチェ式付属品をご使用中のお客様からは温度制御の正確さと精度を高くご評価いただいています。

お客様の声「日本分光製ならではの傑出した装置」

(前略)
もし、「日本分光製ならではの傑出した装置」は何かと問われれば、すぐに温度調節ユニットであると答えるだろう。それほどまでに日本分光製の温度調節ユニットは性能が良く、そして使いやすい。
(以下略)
試料温度を直接計測

6~8個のすべてのセルに装着可能な温度センサーをご用意しています(オプション)。試料温度を直接計測することができるため、温度変化データにおいて、より正確な温度をプロットすることができます。

温度精度が向上
温度変化データ
(試料:Poly (dA-dT)・Poly(dA-dT) pH7 KH2PO4-NaOH 緩衝溶液)
セル内センサーを用いることにより温度プロットの精度が向上します
直接計測可能
セル内センサーにて試料温度を直接計測可能
セルブロックは4種類から選択可能

セル数や試料量から、ご目的に適した組み合わせをお選びいただけます。

各セルブロックの概要
セルブロック セル数 使用セル 最小試料量 スターラー セル内温度モニター*1
6連セルブロック 6 10mm角型石英セル 2.5 mL 対応可能 対応可能(全セル)
角型石英ミクロブラックセル 500 µL 非対応 対応可能(1セル)*2
キャピラリーセル*3 3 µL 非対応 非対応*4
8連セルブロック 8 角型石英セル
(光路長 5 × 光路幅 5 mm)
700 µL 対応可能 対応可能(全セル)
1mmミクロ8連セルブロック 8 1mmミクロ8連セル 10 µL 非対応 対応可能(1セル)*2
ミクロ8連セルブロック 8 ミクロ8連セル 100 µL 非対応 対応可能(1セル)*2
*1 セル内センサーは1本標準付属しています。
*2 セル内センサーを挿したセルは測定不可です。
*3 V-730/730BIOでのみ使用できます。
*4 キャピラリ―セル使用時に温度モニター出来るのはホルダー部のみとなります。

6連セルブロック

6連セルブロック

10mm角セル用セルブロックです。ミクロブラックセルにも対応します。

8連セルブロック

8連セルブロック

5mm角セル用セルブロックです。全セルの試料温度を直接モニターできます。

1mmミクロ8連セルブロック

1mmミクロ8連セルブロック

最小試料量 10 µL。専用のセルを使用します。試料の揮発を防ぐためのシリコン栓、固定具が標準で付いています。

ミクロ8連セルブロック

ミクロ8連セルブロック

最小試料量 100 µL。高温、長時間測定時には、別売のシリコン栓キットを使って試料の揮発を防ぐことができます。

高温測定時にはシリコン栓キットで試料の揮発を防止

DNA メルティング測定(DNA Melting)では試料が微量なケースが多く、加熱することで試料が揮発してしまうため、特に高温領域で測定誤差が発生しやすくなります。そのため、試料の揮発をどのようにして防ぐかが大きなポイントとなります。微量試料用の 1mmミクロ8連セル(最小試料量 10 µL)やミクロ8連セル(最小試料量 100 µL)には、試料の揮発を防ぐシリコン栓とそれを抑え込む固定具を組合わせて使用します。長時間の測定を経ても、目視では試料の減少はほとんど確認されません。

1mmミクロ8連セルの加熱前後の比較
1mmミクロ8連セルの加熱前後の比較(赤点線がセル部上端)
プログラムの選択とラインアップ

昇温・降温過程のスペクトル変化を見たい!

温度インターバルスキャン測定プログラム VWTS-958

設定した温度間隔で試料のスペクトルを自動測定します。データ表示は2次元スペクトル表示、3次元スペクトル表示、等高線図表示、色分け図表示、断面図表示および計算結果を用いた2次元図表示が可能です。

インターバルデータ解析
温度インターバルデータの解析画面

酵素・基質の反応速度や Km 値を解析したい!

カイネティクスプログラム VWKN-772

酵素溶液に様々な濃度の基質溶液を加えたサンプルの時間変化測定結果より 最大反応速度 Vmax、ミカエリス・メンテン(Michaelis-Menten) 定数 Km およびヒル係数 n、酵素活性値を計算します。阻害定数 Ki の計算にも対応しており、拮抗型、非拮抗型、混合型および不拮抗型の4種類が選択できます。セルチェンジャーを使用することでセル毎に条件を変えたパラレルカイネティクス測定が可能です。
プロット: Michaelis-Menten、Lineweaver-Burk、Hofstee、Eadie、Hill
計算項目: 最大反応速度 Vmax、Michaelis-Menten 定数 Km、Hill 係数 n、阻害物質の型式判定、阻害定数、酵素活性値

カイネティクスプログラム
カイネティクスプログラム VWKN-772

核酸の熱安定性(融解温度 Tm)、熱力学的性質を解析したい!

温度変化測定・メルティング解析プログラム VWTP-959

DNA,RNA 等の核酸やタンパク質などの温度変化データから、融解温度 Tm 解析や熱力学パラメータを計算します。核酸の融解温度から GC 比(GC 含量、グアニンとシトシンの mol %)も計算することが出来ます。

温度変化測定・メルティング解析プログラム
温度変化測定・メルティング解析プログラム VWTP-959