アミノ酸分析 アミノ酸とは?

アミノ酸とは?

アミノ酸の基本構造

アミノ酸は、分子内に酸性基であるカルボキシル基(-COOH塩基性基であるアミノ基(-NH2を有する化合物の総称です。
アミノ酸同士はペプチド結合(-CONH-)によって結合することにより、二つのアミノ酸が結合したジペプチドからアミノ酸が多数結合したタンパク質まで各種の化合物が構成されます。

アミノ酸の分類① 酸性・塩基性・中性

酸性アミノ酸
2つのカルボキシル基をもつ
グルタミン酸
アスパラギン酸
塩基性アミノ酸
2つのアミノ基をもつ
アルギニン
リシン
ヒスチジン
中性アミノ酸
カルボキシル基,アミノ基以外に特徴的な官能基をもつ
グルタミン
アラニン
スレオニン
プロリン
メチオニン
アルキル鎖を持つ
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン
ヒドロキシ基を持つ
セリン、スレオニン
硫黄を含む
システイン、メチオニン
アミド基を持つ
アスパラギン、グルタミン
イミノ基を持つ
プロリン
芳香族基を持つ
フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン

アミノ酸の分類② タンパク質構成アミノ酸/生体中遊離アミノ酸

ペプチドやタンパク質を構成する20種近くのアミノ酸をタンパク質構成アミノ酸と呼びます。一方、タンパク質構成アミノ酸を含めて生体液中には50種あまりのアミノ酸が存在し、これらを生体中遊離アミノ酸と呼びます。
タンパク質構成アミノ酸の構造式
生体中遊離アミノ酸の構造式
(タンパク質構成アミノ酸を除く)

アミノ酸の分類③ 光学異性体

α-アミノ酸にはL体D体の2通りの立体構造が存在し、これらは光学異性体(鏡像異性体)と言われます。
α-アミノ酸
生体のタンパク質は、α-アミノ酸の重合体ですが、基本的にL体のみが構成成分となっています。D体は、天然では細菌の細胞壁の構成成分や老化組織、神経細胞などに存在が確認されています。例えば、D-アスパラギン酸は、認知症患者の脳や、白内障患者の水晶体、高齢者の皮膚などに存在することが知られています。

アミノ酸の分類 まとめ