アミノ酸分析 アミノ酸分析の必要性

アミノ酸分析の必要性

アミノ酸分析の意義

アミノ酸  ・・・  タンパク質を構成するもの
タンパク質を多く含むものの例
生体・食品タンパク質
ケラチン
ケラチン
筋肉ミオグロビン
骨・軟骨・靭帯コラーゲン
卵白アルブミン
ミオグロビン
大豆ダイズタンパク
アミノ酸分析の目的
1) 食品中のアミノ酸の測定
旨味調味料、スポーツ飲料、健康食品関連など
2) 病気の診断
新生児アミノ酸代謝異常検査、がんリスク検査など
3) タンパク質の構造の解析
タンパク質を構成しているアミノ酸の成分比測定
4) アミノ酸の化学構造の推定
光学異性体の解析(D体L体の存在率など)
5) バイオ医薬品開発

アミノ酸に関連したニュース

古くから研究の対象とされているアミノ酸ですが、近年においても有効性のある特定のアミノ酸を増強した食品や、新たに有効性が示された研究などがニュースに取り上げられています。

集中力UPや快眠にも 副交感神経を高める6つの食品
香り成分の高いお茶やGABAがたっぷりのドリンクでぐっすり

(前略)
食べることによりリラックス効果をもたらすのは、GABA(ガンマアミノ酪酸)やお茶に含まれるうまみ成分のテアニンなど。GABAは、トマトや発酵食品などに多く含まれるアミノ酸の一種で、GABA受容体に作用することで、副交感神経活動が活発になるという研究がある。
(以下略)
関連文献: 藤林真美, 神谷智康, 高垣欣也, 森谷敏夫 (2008) 「GABA経口摂取による自律神経活動の活性化」 『日本栄養・食料学会誌』 61(3), 129-133, https://doi.org/10.4327/jsnfs.61.129

九大など、アミノ酸の一種 L-セリン摂取で体内時計の修正が容易になることを解明

(前略)
本研究グループは、20種類のアミノ酸のうち、L-セリンを摂取すると、体内時計の光による針合わせが強められることをマウスで発見しました。また昼夜リズムを6時間ずらして人工的な時差ぼけを誘導した上で、L-セリンを決まった時間に摂取すると、体内時計の針が早く進み、新しいリズムに早く同調しました。さらに、男子大学生に夜 L-セリンを摂取させ、朝に光を照射すると、体内時計の針を示すメラトニンの分泌開始時刻が大きく前進し、人でもL-セリンで体内時計の針合わせが強められることを実証しました。
(以下略)
関連文献: Shinobu Yasuo et al., "L-Serine Enhances Light-Induced Circadian Phase Resetting in Mice and Humans", The Journal of Nutrition, 147(12), 2017, 2347-2355, https://doi.org/10.3945/jn.117.255380

第17改正日本薬局方におけるアミノ酸分析

第17改正日本薬局方には、一般試験法としてタンパク質のアミノ酸分析法が収載されています。
ポストカラム誘導体化法としてニンヒドリン、OPA、プレカラム誘導体化法としてOPA、フェニルイソチオシアネート、DABS-Cl、FMOCなどが収載されています。
厚生労働省 「日本薬局方」ホームページ
バイオ医薬品の品質特性解析項目の例
項目主な分析法
物理化学的性質
アミノ酸組成アミノ酸分析
末端アミノ酸エドマン法、ペプチドマップ法(LC/MS)
アミノ酸配列(一次構造)エドマン法、ペプチドマップ法(LC/MS)
スルフドリル基比色定量(エルマン試薬)
ジスルフィド結合ペプチドマップ法(非還元、還元)
翻訳語修飾
糖鎖
単糖組成単糖分析
糖鎖構造/糖鎖プロファイルHPLC, キャピラリー電気泳動、質量分析
結合部位及び糖鎖ペプチドマップ法(LC/MS)
グリコフォームプロファイル等電点電気泳動、キャピラリー電気泳動、HPLC、質量分析
その他の翻訳後修飾ペプチドマップ法(LC/MS)
分子量・分子サイズSEC、SDS-PAGE、質量分析
分光学的性質
比吸光度またはモル吸光係数紫外可視吸光度測定
二次構造円偏光二色性スペクトル測定、IRスペクトル測定
高次構造核磁気共鳴スペクトル測定
純度・不純物凝集体:SEC、切断体:電気泳動