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バイオ医薬品の安定供給を支える日本分光

今、わたし達に出来ること...

新型コロナウィルスの猛威は沈静化には至らず、未だに治療薬もワクチンも、また集団免疫も出来ていない状況にあります。こうした地球規模の脅威は、今日のみならず今後も生ずる可能性があり、効果的なワクチン・医薬品の迅速な開発は、脅威に対抗する最重要テーマとなっています。

抗体医薬に代表されるバイオ医薬品を安全に供給するために、その品質管理は極めて重要な工程であり、我々、日本分光が貢献出来る分野の一つです。

今回はその一端をご紹介させていただきます。

抗体医薬品のスクリーニング

新型コロナウィルスのように、表面にスパイクプロテインを持つウイルスに対しては、これらに結合特性を有する抗体を活用したバイオ医薬品が急速に広まってきています。こうした抗体医薬の開発・品質管理において、抗体構造を迅速かつ簡便に確認するスクリーニング技術の需要が高まっており、日本分光では、円二色性分光分析 (CD, Circular Dichroism Spectroscopy)と自動測定システムを活用したハイスループット円二色性測定システム HTCD Plusを提案しています。

円二色性分散計(CD) は、タンパク質の二次構造組成比の予測だけでなく、高次構造が変化する様子を均質な条件下で低濃度かつ簡便に評価できる手法として知られています

ハイスループット円二色性測定システム HTCD Plus

タンパク質構造の熱変性解析

抗体医薬に限らず、広くタンパク質を製造する過程で、熱による構造変化の検証は重要とされています。日本分光では、複数のタンパク試料に対して任意の温度条件を設定し、簡易かつ迅速に分光分析する応用技術を提案しております。温度変化によって変化するタンパク質の二次構造解析手法として、円二色性スペクトルおよび蛍光スペクトルの同時測定機能を付加した高次構造変化の測定があります。これらの測定により、試料特有のホールディングやリバーシビリィの検証が行えます。

微量測定アプリケーション

抗体などのバイオ医薬品試料は貴重かつ高額なものが多く、分析評価では使用量を低減する事が望まれています。日本分光では、専用のセル、アクセサリーを用いた微量測定法を提案しております。

紫外可視分光光度計、蛍光分光光度計および円二色分散計にて、一滴の試料で測定を可能にする特別付属品を用意しています。