製品情報 近赤外蛍光測定システム FP-8750
近赤外蛍光測定システム

FP-8750

近赤外蛍光測定システムの測定例

単層カーボンナノチューブのカイラリティ分析

カーボンナノチューブはチューブ径やカイラル角によって特性が大きく変化するため、励起波長および蛍光波長を走査する三次元スペクトル測定による評価に威力を発揮します。

単層カーボンナノチューブの近赤外三次元蛍光スペクトル測定を行いました(図1)。近赤外領域に現れた蛍光を観察できています。

* 本データは豊橋技術科学大学 須田先生よりご提供いただきました。
カーボンナノチューブの三次元蛍光スペクトル
図1 単層カーボンナノチューブのNIR三次元蛍光スペクトル

酸化エルビウムの近赤外蛍光測定

希土類錯体は近赤外域で蛍光を発することが知られています。希土類イオンを含む無機物は、生体へのダメージが少なく、生体組織による透過性が高いため、近赤外光を用いたバイオイメージングの蛍光標識としての応用が期待されており、近赤外領域における蛍光特性評価が行われています。ここでは希土類イオンを含む無機物として、酸化エルビウムの近赤外蛍光3Dスペクトルの測定例をご紹介します。

酸化エルビウムの蛍光3Dスペクトルを図2に示します。励起波長380、410、455、490、525 nmにおいて、1534 nmをピークとする蛍光が観測されました。また、蛍光極大を示す励起波長380 nmの蛍光スペクトルを図3に示します。

このような近赤外蛍光測定は今後、近赤外バイオイメージングの多色化や、生体組織の透過性を考慮した蛍光標識の開発に有効であると考えられます。

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酸化エルビウムの蛍光3Dスペクトル
図2 酸化エルビウムの蛍光3Dスペクトル
酸化エルビウムの蛍光スペクトル
図3 励起波長380 nmにおける酸化エルビウムの蛍光スペクトル