高寿命、高輝度、省電力などといった性質を有する青色LEDは、スマートフォンのバックライトやブルーレイディスク等様々なものに応用されており、今や私たちの生活に切っても切り離せない物となっています。 一般にその青色LEDの材料として窒化ガリウム(InGaN)が用いられています。 InGaNはInの組成量によりバンドギャップが2V ~3.4Vの間で大きく変化するという性質を有しています。 一方、Inの組成量が増加するにつれ、均一な結晶成長が難しくなるという問題もあります。 現在、この不均一性を評価する方法として様々な方法が提案されています。
ここでは近接場PL分光装置を用いてIn組成の不均一性を評価した例を示します。尚、比較として、顕微PL分光装置による測定も行いました。
図1、図2の490nmの強度分布を比較するとコントラストに大きな違いが表れています。 また、図3,4,5より近接場PL測定では顕微PL測定では観測することができない448nmのピークを観測することができます。 PL波長はIn組成比に顕著に依存することより、この分布はIn組成比の面内分布を反映していると考えられます。 このようにnmスケールでの分布を持った試料の評価には100nmレベルの高い空間分解能をもった近接場PL測定が有効です。