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FTIRの基礎(5) 簡単、便利! FTIR測定のコツ
FTIRの基礎
FTIRの基礎(5) 簡単、便利! FTIR測定のコツ
FTIR測定の際、試料によっては散乱・干渉が起こる、試料が固まる、再現性が悪いなどの問題に直面することがあります。今回は、測定補助ツール、OTASUKEグッズを用いた解決方法を紹介します。
散乱、干渉縞を抑える
顕微FTIRで透過測定を行う場合、試料の形状によっては、測定が難しい場合があります。例えば、凹凸のある試料は散乱が生じ、フィルムのような薄い試料は、干渉が起こるためです。散乱や干渉を抑えるには、試料である有機物とほぼ同じ屈折率を持つKBrプレートで試料を挟み込むことが有効です。図1に、散乱を抑えた例としてガラクトース粉末の測定結果と、干渉を抑えた例としてポリスチレンフィルムの測定結果を示します。 図1(上)のサンプル未調整のスペクトルは、散乱の影響を受けて、2000~4000cm
−1
のベースラインが浮き上がってしまいました。一方、KBrプレートで挟み込んだ試料のスペクトルでは、ベースラインの浮き上がりもなく、きれいなスペクトルが得られました。図1(下)のサンプル未調整のスペクトルは、試料内で干渉が生じてしまったため、干渉縞がスペクトルにのってしまいました。一方、KBrプレートで挟み込んだ試料のスペクトルでは、干渉縞のないきれいなスペクトルが得られました。
図1 散乱(上)、干渉(下)の抑制
試料が固まる
接着剤や塗料などの試料を測定する場合、試料を窓板に塗布、もしくは挟み込んで測定することが考えられますが、測定後の洗浄が大変です。そこで、ディスポーザブルなKBr窓板(φ3mm)と専用ホルダが活躍します。測定結果を図3に示します。接着剤の硬化過程のスペクトルがきれいに測定できています。測定後は、試料を捨てるか保存し、次の測定にすぐ移ることができます。窓板の洗浄に苦労することなく、スピーディーな測定が可能になります。
図2 接着剤の試料セット
図3 接着剤の測定結果
再現性良く測定したい
液体試料の微小なピークを測定する場合、組立てセルを用いると感度良く測定ができます。しかし、測定毎にピーク強度がばらつく、セルを組立てる手間がかかるといった欠点がありました。 そこで、OTASUKEグッズのマグネット式組立てセル(MagCELL)を用います。マグネットで窓板を固定するので、同じ強さで固定でき、高い再現性が得られます。また、ネジの締めすぎによる窓板の破損もありません。ワンタッチで簡単に固定ができます。 図4にMagCELLを用い、スペーサ0.05mmでクロロホルム(数10µL)を測定した例を示します。非常に再現性良く測定できていることが確認できます。
図4 MagCELLによる試料セット
多検体をまとめてサンプリングしたい
多検体のサンプリングは、ディスポーザブルな成型板、ClearDisk(特殊硬質繊維製)がお勧めです。以下にそのメリットを示します。
多検体をまとめてサンプリング可能
測定後の試料を保存可能、サンプル情報を成型版にメモできる
プレート法、錠剤法の両方が使用可能
図5 ClearDiskに試料セット
『KBrプレート法・KBr錠剤法のコツ』はこちら
まとめ
FTIR測定は、OTASUKEグッズを使用することで、簡単、便利に精度の高い測定が可能です。上記以外のOTASUKEグッズ、詳しい資料をご希望の方は、一度ご請求頂ければと思います。
各種測定法について
FTIRの基礎 目次
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