赤外顕微鏡

IRT-5200

ハードウェアの特長

スマートマッピング機能

赤外顕微鏡におけるマッピングとは?

従来の赤外顕微分析ではいかに微小、微量な試料を測定することができるかということに主眼が置かれていました。

しかし今日では、ポイント測定だけではなくマッピング測定も重要になっています。

これは、例えば異物分析で考えると、一部分だけの測定では全体としては誤った結論を導き出してしまう可能性があるためです。そのため異物全体をマッピングすることが有効な手法となります。

画期的なスマートマッピング機能(日本分光特許)

自動ステージではなく、マニュアルステージでもマッピング測定やライン測定、多点測定、ATRイメージングを行うことができます。

図1では従来法とスマートマッピングで測定した際の、比較を行っています。従来法ではステージを動かすことにより試料を走査しています(黄色の枠線の赤外光照射範囲の位置は固定)。一方、スマートマッピングではステージではなく、赤外光を動かすことにより試料を走査しています。

3Dスペクトル測定
図1 スマートマッピングの有用性

スマートマッピングと顕微ATR

顕微ATRでは試料とプリズムを密着させ、その部位のデータを取得します。

従来は測定ポイントを移動するために、その都度プリズムを一度試料から離し、移動させたのちに再度密着させるという作業を繰り返していました。

スマートマッピングでは試料とプリズムが密着した状態で、赤外光によりサンプルを走査することができるため、短時間、およびコンタミネーションのない測定を実現しました。

ATRスマートマッピング
図2 スマートマッピングを利用した測定箇所の移動

見えるATR

従来の顕微ATRでは、測定ポイントをカセグレイン鏡で観察し位置を決定したのちに、顕微ATRに切り換えて測定を行っていました。

ただ、この手法ではプリズムと試料が密着した際に、プリズムの中心に目的物が密着しているか定かではありません。

「見えるATR」では、密着時でも試料を観察することができるため、プリズムの中心に目的物が密着しているかどうかを確認することができます。

見えるATR測定結果
図3 左から順に、プリズム密着前試料観察画像、プリズム密着後試料観察画像、測定スペクトル

コントロールパネル

装置本体に、透過/反射測定モードの切換えボタンや測定開始ボタンなど、効率的な測定をサポートするための機能を盛り込んだコントロールパネルが装備されています。

赤外顕微鏡用コントロールパネル
図4 コントロールパネル

検出器同時搭載

感度と測定波数範囲のバランスが取れたミッドバンドMCT検出器を標準搭載しています。

また、第2検出器着脱ユニットを使用することにより、ワイドバンドMCTやDLATGSなど様々な検出器を取り付けることが可能です。

測定波長範囲および必要感度に合わせて、最適な検出器を使用できるよう検出器のラインナップも充実させています。

詳しくはこちら >
検出器の違いによるスペクトルへの影響
図5 ポリスチレンフィルムのスペクトルの比較