光が電磁波であることは、
紫外可視分光光度計の基礎(1) 光の性質で述べた通りです。電磁波は、直行する電場と磁場中を進行方向に垂直に振動して伝わる横波です。自然界の光には、様々な向きに振動する光の成分が含まれています。これに対し、振動面がそろった光が直線偏光(図1上)、光の波の進行に伴い振動面が回転する偏光が円偏光です(図1下)。
直線偏光は、結晶軸や分子の向きが揃った光学素子(偏光子)に光を通過させることで得られます。円偏光は、直行する波のベクトル(電場ベクトル)の位相が1/4波長ずれたときに生じます。円偏光には左回り円偏光(El)と右回り円偏光(Er)とがあり、直線偏光は計算上、強度の等しいElとErの和と考えることができます(図2上)。強度が異なる場合のElとErの和が楕円偏光です(図2下)。