医薬品における

超臨界流体利用

抽出 漢方薬からの有効成分の抽出

胃健・去痰作用がある生薬のウイキョウ(フェンネル)を超臨界抽出し、抽出液を超臨界流体クロマトグラフィーにて分析したところ、精油成分であるα-ピネン、リモネン、アネトールなどが分離できました。超臨界抽出は精油・薬効成分の一斉抽出や精製に有効です。

超臨界流体クロマトグラフィーシステムを用いたウイキョウ抽出物中成分の分析

ウイキョウ抽出液のクロマトグラム(上:抽出液、下:標準溶液)
1:α-Pinene, 2:β-Pinene, 3:Limonene, 4:4-Allylanisole, 5:Anethole

分析 医薬品分離の条件探索

医薬品には、光学活性をもつ物質が多く含まれています。それらの多くは、体内での働きが全く異なる場合が多く、片方のエナンチオマーのみを使用することで薬効を高めたり副作用を低減できる例が報告されています。円二色性検出器では、光学活性物質を選択的に検出することができ、また、メソッドスカウティングシステムにより、そうした物質の分離条件探索の効率化・高速化を実現しています。

UFC メソッドスカウティングシステムによるワルファリンのキラル分離条件の検討

分取 分析システムから分取システムへ

分析システムと分取システムの兼用や大量分取による効率化など目的・用途に応じたシステムを構築できます。
幅広いスケールに対応

分取 高純度領域の分取

CDおよびUVクロマトグラムの比から得られる g-factor クロマトグラムを用いることで、光学純度が高い区間を効率的に分取できます。また、アキラル分取においても、任意の2波長の比( λ1 / λ2)を出力(PDA、UV、蛍光)したり、ピーク純度計算結果(PDA)を利用することで、高純度領域の分取が可能となります。
フラバノン分取における UV を分取トリガーに用いた時の分画物の光純度
UV 分画1 分画2
光学純度 98.1 % 92.9 %
フラバノン分取における g-factor を分取トリガーに用いた時の分画物の光純度
g-factor 分画1 分画2
光学純度 99.5±0.5 % 99.5±0.5 %