顕微ラマン分光光度計(NRS-5000)で鉄サビを測定した例を図3に示します。右上の試料写真から、金属板上に見た目の異なる不均一なサビが生じていることが確認できます。NRS-5000では、金属板上のサビを削る必要なく、サンプルを試料室にセットするだけで顕微試料画像を確認しながら測定点のラマンスペクトルを確認できます。一般的に重い原子から成る無機物や結晶の格子振動は低波数域にピークが検出されるため、ラマン分光法による分析が効果的です。これにより、見た目の異なる2つのサビ、Aはβ-FeOOH、BはFe
3O
4という構造の違いを確認できました。