積分球とは、内壁に高反射率素材が塗布された球のことです。光源・検出器を備えた分光光度計等と組み合わせて使用します。
積分球へ導入された光(試料からの拡散透過光または拡散反射光)は球内で反射を繰り返すことで均一な光になります。そして、その均一な光を検出し測定を行います。濁りのある試料や入射光が直進しないレンズ、入射光が散乱する粉体、塗料、塗膜等の測定に適しています。積分球は分光光度計の多くのアプリケーションで使用されており、また、積分球を使うことが規定された基準や規格も数多くあります。
日本分光では多様な積分球ユニットをご用意しており、試料状態、サイズ等に合わせて最適なものをお選びいただけます。
積分球の直径が 60 mm です。一般的な拡散透過/反射測定で多用されます。
積分球の径が大きい分、開口比*が小さくなります。開口比の指定等がある場合に選択します。
光路長 10 mm の角型セル用スターラーが内蔵されているため、攪拌が必要な懸濁液の拡散透過測定を行うことができます。オプションで試料の温調にも対応できます。
透過・反射ともに試料を水平に置くことができるため、窓板を介さずに粉体やゲル状試料の反射率を測定することができます。
指輪や真珠を保持するための専用アタッチメントが付属しています。
持ち手のついた積分球ユニットです。試料室に入れることができない試料の拡散反射測定に適しています。
拡散反射測定の試料位置には、フィルムやプレートなどを簡単にセットできるホルダーが付いています。拡散透過測定の試料位置には、光路長 10-50 mm までの角型セルをセットすることができます。
日本分光のユニークなオプションツールである粉末セルは「誰でも」「簡単」な『粉体の拡散反射測定』を実現します。
分解が簡単で、各パーツごとに超音波洗浄できるため、コンタミネーションの心配なくお使いいただけます。
粉末測定で一般的な角型セルを使用すると毎回充填状態に差が生じてしまいます。一方、PSH は試料を背面から均等に押さえることができるため、充填状態の再現性が高く、精度の高い測定ができます。
「粉末セル PSH-002」で必要な試料量はティースプーン1杯ほどですが「微量粉末セル PSH-003」を使うことでさらに少量の試料で測定することができます。
オプションの試験管ホルダーを使えば、試料を試験管に入れたままで拡散透過測定でき、角型セルに入れる等の手間を省くことができます。マイクロメーターを付けることで高さ調整にも対応できます。
試験管サイズ | φ10 mm、長さ 75 mm(容量 3 mL) |
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光軸高さ | 試験管の底から 14 ~20 mm |
アパーチャー | φ2 mm または φ3 mm |
オプションのコンタクトレンズ用セルを使えば、試料を保存液等に浸したままで透過率を測定できます。光束と試料の中心軸が合うように設計されており、また、アパーチャーを使用して入射光束サイズを変えることもできます。
色彩評価(カラー診断)プログラム (VWCD-960)
CIE(国際照明委員会)等の定めた各種表色系の色彩計算を行います。表色系による物体色の表示方法は JIS/ISO/ASTM に準拠しています。設定した基準値に対する合否判定機能があり、製品評価や品質管理にも適しています。測定した試料の色彩を色度座標で分かりやすく確認することもできます。ハーゼン単位色数、ガードナー色数、セーボルト色数、ASTM色数の算出に対応するプログラムもあります。
紫外可視分光光度計 カラー診断システムの測定再現性:https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/applicationdata/UV/040-UV-0044B.html
SPF/PA値計算プログラム (VWSP-966)
日焼け止めクリームや化粧下地などに表示されているSPF値やPA値の評価方法は、ISO-24442やISO-24444 を元に日本化粧品工業連合会で規定されています。日本分光では上記 ISO や日本化粧品工業連合会の規格を参考に、分光光度計と「SPF/PA値計算プログラム」を使った簡易的な SPF値や PA値の算出を行うシステムをご提案しています。
<付属品オプション>
SPFセル
SPF測定用の専用セルです。専用セルを使用することで 2 µL/cm2 の厚さで皮膚に塗った時と同様の条件を再現することができます。
SPFセルホルダー
SPFセルを簡単に積分球へセットすることができます。
SPF/PA値評価システムによる日焼け防止化粧品の評価:https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/applicationdata/UV/130-UV-0041.html
UPF測定プログラム (VWUP-967)
紫外線保護指数(UPF値)は衣類の未着用時と比較して、UVA、 UVBによる日焼けを何倍防ぐかを表し、数値が大きいほど紫外線に対して保護能力が高いことを意味します。UPF測定プログラムは、様々な国や地域の紫外線遮蔽性能の規格*に対応しています。
<付属品オプション>
蛍光カットフィルター
蛍光カットフィルターは、300nm付近の光によって蛍光を発する試料を測定する場合に使用する、透過率/反射率を正確に測定するための付属品です。積分球と検出器の間に設置します。
UPF評価システムによる日焼け防止繊維製品の評価:https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/applicationdata/UV/070-UV-0036.html
日射透過率・反射率測定プログラム (VWST-964*)
住宅用建材やヒートアイランド現象の防止策として遮熱塗料が広く利用されています。遮熱塗料の評価方法として、JIS K 5602および JIS K 5675で建築物の屋根や屋上に施工する塗料の日射に対する反射率を求める試験方法が規定されています。日射透過率・反射率測定プログラムを使用することでJIS規格に対応した評価ができます。
JIS K 5602/JIS K 5675 に準拠した遮熱塗料の評価:https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/applicationdata/UV/040-UV-0034.html