技術情報 アプリケーション Application Data 820033H
LC Application Data

LC/MS/MSによる水道水中のホルムアルデヒドの分析

Introduction

アルデヒド類は、環境汚染物質として、大気及び湖沼、貯水池、河川などの環境水を汚染することが懸念されています。国内では、大気汚染防止法や悪臭防止法(環境省)、労働安全衛生法や水道法(厚生労働省)など様々な規制の対象となっております。中でもホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質のうちの一つとして知られている他、発癌性などのリスクについても警告されています。ホルムアルデヒドは、平成15年5月30日厚生労働省令第101号の告示により、それまでの監視項目から、基準項目(基準値:0.08 mg/L)になりました。また、アセトアルデヒドも要検討項目として設定されました。「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」(平成15年7月22日付け厚生労働省告示第261号〔最終改正:平成27年3月12日厚生労働省告示第56号〕)では、溶媒抽出 誘導体化 ガスクロマトグラフ 質量分析法(別表第19)が指定されていましたが、平成27年度より省令の一部が改正され、新たな検査方法として 誘導体化 高速液体クロマトグラフ法(別表第19の2)(LC Application Data No. 820027H 参照)及び誘導体化 高速液体クロマトグラフ 質量分析法(別表第19の3)が追加されました。

今回、検出器として SCIEX 社製トリプル四重極質量分析計 Triple Quad TM 3500 を使用し、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(2,4-Dinitrophenylhydrazine, 2,4-DNPH)を誘導体化試薬として用いた、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの誘導体化高速液体クロマトグラフ 質量分析法 による測定を行い 、基準値である 0.08 mg/L の 1/10 濃度である 0.008 mg/L まで検出できることを確認しました。また、水道水への添加回収試験も行いましたので、併せて報告します。

Keywords
ホルムアルデヒド , アセトアルデヒド , 水質基準 , 2,4 DNPH, プレカラム誘導体化 , EXTREMA, Triple Quad TM 3500, LC/MS/MS, Unifinepak C18
アプリケーションデータ番号
820033H
発行
2019年
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